1. CEFRとは何か
欧州言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages、CEFR)は、欧州評議会が2001年に発表したもので、現在では世界で最も広く使われている言語能力の評価基準です。この枠組みは言語能力を6つの等級に分けています。
- 基礎段階の言語使用者(Basic User):A1(Breakthrough)、A2(Waystage)
- 自立した言語使用者(Independent User):B1(Threshold)、B2(Vantage)
- 熟達した言語使用者(Proficient User):C1(Effective)、C2(Mastery)
LanguageCert、Password、ケンブリッジ英検はCEFR等級をそのままスコアとして報告します。IELTS、PTE Academic、DETは独自のスコア体系を用いたうえで、それをCEFRに対応させています。
2. 各等級を一文で表すと
- A1 — ゆっくり、はっきりと自己紹介ができ、身近な話題について非常に簡単な個人情報を交換できる。
- A2 — 買い物、道案内、家族の話など、日常的な場面を短く直接的な文で処理できる。
- B1 — 英語圏の国を一人で旅行でき、経験を説明し、自分の意見を述べられる。
- B2 — 身近な分野であれば有意義な議論ができ、記事の主旨を理解でき、明快な小論文を書ける。学部やパスウェイ入学で求められる一般的な水準。
- C1 — 仕事、学術、社交の場で流暢に話し、長い文章の含意も把握できる。英語で行われる修士課程で求められる一般的な水準。
- C2 — ほぼどんな文章でも流暢に読み書きでき、微妙な意味の違いを識別できる。博士課程への出願、翻訳業務、専門的な出版に必要とされる水準。
3. 各等級のおおよその語彙量
| CEFR等級 | 受容語彙(認識できる語彙) | 発表語彙(産出できる語彙) |
|---|---|---|
| A1 | 600–800 | 250–350 |
| A2 | 1200–1600 | 500–700 |
| B1 | 2500–3000 | 1200–1500 |
| B2 | 5000–6000 | 2500–3000 |
| C1 | 8000–10000 | 4500–5500 |
| C2 | 12000+ | 7000+ |
受容語彙(認識できる)と発表語彙(産出できる)のギャップに注目してください——どの等級でも、発表語彙はおおむね受容語彙の約40%にとどまります。これは自然な現象であり、学習計画を立てるうえで織り込んでおくべき前提です。
4. CEFRと主要試験のスコア対応表
| CEFR | IELTS | PTE | DET | LanguageCert | Password |
|---|---|---|---|---|---|
| A2 | 2.5–3.5 | 30–42 | 60–85 | 120–139 | — |
| B1 | 4.0–5.0 | 43–58 | 90–115 | 140–159 | 3.5–4.5 |
| B2 | 5.5–6.5 | 59–75 | 120–140 | 160–179 | 5.0–6.0 |
| C1 | 7.0–8.0 | 76–84 | 145–160 | 180–199 | 6.5–7.5 |
| C2 | 8.5–9.0 | 85+ | 160+ | 200 | 8.0+ |
対話式に換算したい場合は、スコア換算ツールをご利用ください。
5. 自分のレベルを客観的に見積もる方法
感覚に頼らないこと。以下の3ステップを試してください。
- 書く:任意のテーマで200語のエッセイを書きます。ライティングツールで語数、文の長さ、タイプ・トークン比を確認しましょう。
- 聴く:CEFR B2レベルのニュース素材を聴きます。1回聴いて要約できればリスニングはB2、2〜3回聴く必要があるならB1に近いと考えられます。
- 受ける:10問のCEFR診断テストを受けて総合的な目安を得ます。
3つの結果のうち最も低いものを採用してください。受容技能(読解・リスニング)は、産出技能(ライティング・スピーキング)より1〜2サブレベル先行しているのが一般的です。
6. よくある誤解
- 「8000語を覚えればC1になれる」——語彙は必要条件ではあっても十分条件ではありません。アウトプット能力には別途トレーニングが必要です。
- 「B2レベルの教材を読めるからB2だ」——読解は通常もっとも得意な技能になりやすいため、最も弱い技能を基準に判断すべきです。
- 「B1からB2まで200時間」——これは欧州評議会が示す目安であり、実際のアウトプットを含む質の高いインプットが前提です。受動的なインプットだけでは達成できません。
7. 次のステップ
目標とする等級が定まったら、等級別の語彙リストをレベルと試験で絞り込み、学習プランを使って習慣化を始めましょう。集中的な毎日の練習を3か月続けると、通常はサブレベル半分ほど上昇します。