1. DETが急速に普及している理由
Duolingo英語テストは所要時間約1時間で、自宅のウェブカメラを通じて受験します。費用はおよそ59米ドルで、多くの場合48時間以内に結果が判明します。自宅受験・低価格・速いというこの3つの特徴が、2020年から2026年にかけて米国の小さな基盤から世界中の数千の大学へと受け入れが急拡大した理由を説明しています。
ただし、その試験形式はIELTSやTOEFLとは大きく異なります。これまでの対策経験がそのまま活かせる部分は限られています。
2. 28問からなるアダプティブ形式
DETは約28問で構成され、以下のようなタイプが出題されます。
- Read and Complete(c-test):短い文章の中で、半分だけ文字が示された単語を補完する
- Read Aloud(音読):画面に表示された文を音読して録音する
- Listen and Type(聞き取り書き取り):音声を聞いて書き取る。再生は最大3回まで
- Read and Select(読解選択):ディストラクター(誤答選択肢)を含む18個の中から実在する単語を選ぶ
- Listen and Select(聴解選択):音声リストの中から実在する単語を選ぶ
- Write About the Photo(写真描写・記述):画像について一文を書く
- Speak About the Photo(写真描写・発話):画像について30秒間話す
- Interactive Reading(インタラクティブ読解):文章1本に続く4〜6問
- Interactive Listening(インタラクティブ聴解):複数ターンの会話に組み込まれた質問
- Writing Sample(ライティングサンプル):約50語、制限時間5分(採点対象外だが、出願先の大学には見られる)
- Speaking Sample(スピーキングサンプル):1〜3分間の自由回答(同じく出願先の大学に見られる)
注意すべき点が2つあります。試験はアダプティブ(適応型)であるため、正解が続くと難易度が上がっていきます。そして序盤のミスは代償が大きい点にも注意が必要です。難易度が一度下がると、その後に到達できるスコアの上限も下がってしまうからです。
3. 採点:10〜160点と4つのサブスコア
総合スコアは10〜160点の範囲で、5点刻みで示されます。あわせて4つのサブスコアも提供されます。
- リテラシー(Literacy):リーディング+ライティング
- 理解力(Comprehension):リーディング+リスニング
- 会話力(Conversation):リスニング+スピーキング
- 産出力(Production):ライティング+スピーキング
おおよそのCEFR対応は以下の通りです。
| DET総合スコア | CEFR | IELTS相当 |
|---|---|---|
| 90–115 | B1 | 4.0–5.0 |
| 120–140 | B2 | 5.5–6.5 |
| 145–160 | C1–C2 | 7.0–9.0 |
4. DET対策ならではの特徴
- AI採点+人間によるレビュー。アクセントよりも発音の明瞭さのほうが重要です。もごもごした発音はすぐに減点されますが、アクセントがあってもクリアな発音であれば問題ありません。
- 従来型のスピーキングセクションがない。すべてのスピーキングはウェブカメラに向かって録音され、実際の会話相手はいません。
- c-testの比重が大きい。Read and Completeは採点上大きな重みを持ちますが、ほとんどの受験者にとって馴染みのない形式です。
5. 4週間対策プラン(1日30分)
第1週 — 形式への慣れ+c-test
- 毎日8問のc-test問題(DETのc-testモードに切り替え)
- 毎日10問の単語ディクテーション
- 7日目までに無料の公式模擬試験を1回
第2週 — Listen and Type
- L2の難易度で、毎日8問の文ディクテーション
- 目標:再生2回以内で90%の単語を正確に書き取れること
第3週 — Read Aloud + Speak About the Photo
- 毎日10問のシャドーイング
- 毎日1回、ランダムな写真について1分間の描写を録音し、聞き直す
- スピードよりも明瞭さを重視し、目標は毎分150〜170語
第4週 — Write About the Photo + Writing Sample
- 毎日1問、画像についての一文(30秒)
- 毎日1本、50語の段落(制限時間5分)
- L2エッセイ用ルーブリックを使い、ライティングツールで自己採点
6. よくある間違い
- c-testの練習を省略する。配点比重が大きいため、絶対に軽視しないこと。
- マイクが口から離れすぎている。インラインのラベリアマイクかヘッドセットを用意しましょう。
- 動詞を欠いた画像描写の一文。AIは文法的な完全性を評価します。
- Read Aloudで読むスピードが速すぎる。毎分180語未満を維持してください。明瞭さを伴わないスピードは減点対象です。
- 30日以内に3回の再受験を詰め込む。公式ポリシー上は可能ですが、受験しすぎることでかえって結果が悪化したと報告する受験者もいます。
7. 率直な評価
DETは難しい試験ではありません。馴染みがなく、テンポが速いだけです。4週間で体に覚えさせれば、1〜2回の受験で結果はすぐに安定してくるはずです。この安定性こそが、入学審査の側でDETがこれほど広く普及した理由でもあります。